1. はじめに
昨今、データ分析やレポート作成の効率化を目指して、AIツールを活用する方が増えています。
中でも、ChatGPTは自然言語での対話や高度なデータ分析が可能なため、多くのビジネスシーンで活用されています。
特にExcelデータとの連携は、データの読み込みや自動化、分析といった作業を効率的に行うために非常に有用です。
この記事では、ChatGPTを使ってExcelデータを読み込む方法と、そのデータを使った具体的な活用法について画像付きで詳しく解説します。
初心者の方でも分かりやすいように、ステップバイステップで説明しますので
ぜひ最後までお読みください。
画像付きで詳細に説明しますね。
その他chatGPT関連の記事はこちらよりご確認いただけます。
2. ChatGPTにExcelデータを読み込む基本的な方法
Excelデータを読み込む理由
Excelは多くの企業や個人でデータ管理や計算に使われています。
しかし膨大なデータを手作業で分析したり
毎回同じ手順でグラフやレポートを作成したりするのは手間がかかります。
そこで、ChatGPTを活用することで「データの要約や分析」「レポート作成」を短時間で効率的に行えるようになります。
時間の効率化やデータの精査が簡易になります。
手順の説明（画像付き）
Excelファイルの準備
まず読み込ませたいExcelファイルを準備しましょう。
データが複雑すぎる場合や不要な情報が多い場合は、簡略化しておくと効果的です。
ファイル形式の変換
ChatGPTは直接Excelファイル（.xlsx）を読み込むことができません。
そのため、ファイルをCSV形式（.csv）やテキスト形式（.txt）に変換します。
Excelで「名前を付けて保存」から「ファイルの種類」を選び
CSV形式を選択して保存してください。
ChatGPTの起動
ブラウザでChatGPTの公式サイトにアクセスし、アカウントにログインします。
まだアカウントをお持ちでない方は、GoogleアカウントやApple IDで簡単に登録できます。
※登録がまだの方は以下の記事を参考に登録を進めてください。
データのアップロード
ChatGPTのチャット画面で「クリップマーク」をクリックし
先ほど保存した「CSVファイルをアップロード」します。
このとき「添付のCSVファイルのデータを読み込んで、要約してください」など
読み込んでほしい内容を指示します。
読み込み結果の確認
ChatGPTがデータを解析し、要約やグラフ作成、データ分析の結果を表示します。
必要に応じて「このデータを基に、月別の売上推移を棒グラフで示してください」など、具体的な指示を追加しましょう。
有料プランの必要性とその理由
ChatGPTでExcelデータを効果的に活用するためには
GPT-4oを搭載した有料プラン（ChatGPT Plus）に登録する必要があります。
無料版では一部の機能に制限があり、特に複雑なデータ処理や大量のデータ解析が難しいため、効率よくデータを扱うには有料プランが必要です。
また「有料プラン」ではより高度な自然言語処理が可能で、より精度の「高い解析結果」や提案を得られます。
データ分析やレポート作成に頻繁にChatGPTを活用する場合は、投資価値があると言えるでしょう。
アップロード時の注意点
ファイルサイズの制限
大きすぎるファイルはアップロードできない場合があるため
適度にデータを分割することをおすすめします。
データのクリーンアップ
不要なデータや「空白セル」「エラーセル」があると、ChatGPTが正しく解析できない場合があります。アップロード前にデータを整理しましょう。
エラー時以下のような内容が出現します。
プライバシー保護
機密情報や個人情報が含まれている場合は「その部分を削除」するか仮のデータに置き換えてください。
ChatGPTに入力されたデータは外部に漏れないとはいえ、安心のための対策が必要です。
3. Excelデータを使った活用方法
Excel関数の活用法
ChatGPTは、Excelの関数についても幅広い知識を持っています。
例えば「次のような質問」をすることで、最適な関数を提案してくれます。
以下の条件を満たすためのExcel関数を教えてください。
条件：A列の売上データが5000円以上の場合は「高い」と表示し、
未満の場合は「低い」と表示させたい。
回答例
IF関数を使って以下の式を入力してください。=IF(A2>=5000,"高い","低い")
このように具体的な「条件を提示」することで、適切な関数をすぐに教えてくれます。
関数に関する質問があれば、複雑な条件でもChatGPTが対応できますので、積極的に活用しましょう。
データのグラフ化と分析
ChatGPTにデータを読み込ませた後、「グラフの作成」や「データ分析」を自動で行わせることも可能です。
例えば、月次売上データを基に以下のような指示を出すことで、自動的にグラフを作成し、その結果を考察してくれます。
添付のエクセルデータを読み込んで、月ごとに売上を集計し、棒グラフを作成してください。
その上で、グラフから見える売上の傾向について考察してください。
回答例
ChatGPTは「売上が増加傾向にある月」や「特定の製品が好調である月」など、
データから見えるパターンを示しその背景についても提案を行います。
これにより、単純なデータ入力から一歩進んだ分析を行うことができます。
改善や対策なども提案してくれます。
4. ExcelにChatGPTを読み込ませる方法
先ほどはChatGPTにデータを読み込ませましたが、
この章では「Excelに直接ChatGPTを搭載」する方法をお伝えします。
Excelを利用している方は多くいらっしゃいますので、日々の業務をより効率化させて時短を目指していきましょう。
ChatGPTをExcelに組み込むメリット
まずは「ChatGPTをExcelに組み込むメリット」のご説明となります。
ChatGPTをExcelに組み込むことで、Excelの操作中にAIの助けを得ることができます。
例えば「データの説明や関数の提案」「分析のアドバイス」など日々の業務をサポートするために非常に有用です。
これにより、Excelを使ったデータ管理や分析作業が一層効率的になります。
ChatGPT For Excelの活用法
ChatGPT For Excelは、Excel内で直接ChatGPTを利用できるアドインです。
この方法はVBAの知識がなくても簡単に導入でき、ユーザーにとって非常に使いやすいです。
以下の手順で設定できます。
Excelでアドインを追加
Excelの「ホームタブ」→「アドイン」→「アドインを検索する」をクリックし
検索窓に「ChatGPT For Excel」と入力してアドインを追加します。
お試し版であれば上記のみで設定完了です。
Excelに関数を入れるとすぐに使用可能となります。
設定はすぐ完了し即利用可能です。
AI関数の使用回数にご注意ください
現在はChatGPT for Excelアドインをインストールした後に
「AI関数の無料トライアル（最大100回まで）」が提供されています。
ぜひ、この無料トライアルを活用して、AI関数の使用感をお試しください。
無料トライアルの範囲内で多様なAI関数を試して、Excelでの業務効率化を体験してみてください。
AI関数の種類の確認。何ができるのか？
・AI.ASK関数: 質問に対する回答を生成する機能
・AI.TABLE関数: データを表形式で表示する機能
・AI.TRANSLATE関数: テキストを指定した言語に翻訳する機能
・AI.FORMAT関数: テキストを指定したフォーマットで整形する機能
・AI.EXTRACT関数: テキストから指定したデータを抽出する機能
・AI.FILL関数: サンプルデータをもとに欠損データを予測・補完する機能
・AI.LIST関数: リスト形式で質問に回答する機能
8種類の関数が存在します。詳細は以下で説明いたします。
1. AI.ASK関数: 質問に対する回答を生成する機能
AI.ASK関数は、ユーザーが入力した質問に対して、自然な言語で回答を生成します。
※関数のテンプレート
=AI.ASK("質問内容")2. AI.TABLE関数: データを表形式で表示する機能
AI.TABLE関数は、指定したデータを整然とした表形式で出力します。
※関数のテンプレート
=AI.TABLE("データの種類や条件")
3. AI.TRANSLATE関数: テキストを指定した言語に翻訳する機能
AI.TRANSLATE関数は、セル内のテキストを指定した言語にリアルタイムで翻訳します。
※関数のテンプレート
=AI.TRANSLATE("翻訳するテキスト", "言語コード")
4. AI.FORMAT関数: テキストを指定したフォーマットで整形する機能
AI.FORMAT関数は、テキストデータを指定したフォーマットに整形して出力します。
※関数のテンプレート
=AI.FORMAT("テキストまたはデータ", "フォーマットの指定")5. AI.EXTRACT関数: テキストから指定したデータを抽出する機能
AI.EXTRACT関数は、テキストの中から指定した情報を抽出します。
※関数のテンプレート
=AI.EXTRACT("テキスト", "抽出条件")6. AI.FILL関数: サンプルデータをもとに欠損データを予測・補完する機能
AI.FILL関数は、指定されたサンプルデータを基に欠落している部分を予測して補完します。
※関数のテンプレート
=AI.FILL("データ範囲", "補完条件")7. AI.LIST関数: リスト形式で質問に回答する機能
AI.LIST関数は、ユーザーの質問に対してリスト形式で回答を提供します。
※関数のテンプレート
=AI.LIST("質問内容")8. AI.CHOICE関数: 複数の選択肢の中から最適な回答を選ぶ機能
AI.CHOICE関数は、指定した選択肢の中から最適な回答を選ぶ機能です。
※関数のテンプレート
=AI.CHOICE("質問内容", "選択肢1", "選択肢2", ..., "選択肢N")
有料版：APIキーの取得
無料版での使用が終了後は、「APIキー」の取得を行うことで引き続き利用可能となります。
OpenAIの公式サイトでAPIキーを取得し、アドインの設定画面でキーを入力します。
ChatGPTの利用
セルに質問を入力すると、ChatGPTが自動的に最適な関数やデータ分析結果を表示します。例えば「データ入力の自動化」や「データのクレンジング」「分析レポートの作成」など幅広いタスクを自動化できます。
Excelの利便性が飛躍的に向上し「データの入力や分析」「レポート作成が効率化」されます。
作業効率を大幅に上げるために
ExcelにChatGPTを組み込むことで、Excel操作中にAIの力を活用でき、作業効率が大幅に向上します。アドインを使った簡単な導入まで簡単に行うことが可能です。
Excelでのデータ分析や業務の自動化が、より手軽に、かつ効果的に行えるようになるでしょう。
改善や対策なども提案してくれます。
5. ChatGPTを効果的に使いこなすためのコツ
ChatGPTを使いこなすためには、質問の仕方やプロンプトの工夫が重要です。
ここでは、具体的なテクニックをご紹介します。
明確な質問の仕方
曖昧な質問では、期待した結果を得られないことがあります。
ChatGPTに正確な答えを求めるには「質問をできるだけ具体的」にし条件を明確に伝えましょう。
エクセルの関数でA列のデータを使って、B列にA列の値が100以上かどうかを判定し、100以上の場合は「合格」、未満の場合は「不合格」と表示してください。
このように質問の意図や条件を明確にすることで
ChatGPTはより的確な回答を返してくれます。
できるだけ具体的に説明しましょう。
プロンプトの工夫
質問の背景や文脈を伝えることで、ChatGPTからの回答の質を高めることができます。
私は営業部のマネージャーです。
売上データを使って、どの商品が最も売れているかを特定し、次回のマーケティング戦略に役立てたいと考えています。
データを分析し、最も売れている商品とその理由を教えてください。
このように、文脈を説明することで、より戦略的な回答が得られるでしょう。
回答のフォーマット指定
ChatGPTに特定のフォーマットで回答を求めることで、より整理された情報を得ることができます。
このデータを使って、以下の表形式で売上と利益の比較を表示してください。列1：月、列2：売上、列3：利益、列4：利益率（%）
指定したフォーマットに従って出力されるため、結果が見やすくなり、後の作業も効率化できます。
6. ChatGPTを利用する際の注意点
個人情報や機密情報の取り扱い
ChatGPTにデータを入力する際には、個人情報や機密情報の取り扱いに注意が必要です。
特に、会社の内部情報や顧客情報を含むデータをそのまま使用しないようにしましょう。
必要に応じてデータを仮のものに置き換えるか、機密情報を削除してから使用してください。
データの正確性の確認
ChatGPTが出力するデータや分析結果は、100%正確とは限りません。特に、複雑なデータや大規模なデータセットの場合、間違った解釈や誤った結果が出ることもあります。重要な決定を下す前に、必ずデータの確認とダブルチェックを行いましょう。
リアルタイム情報の限界
ChatGPTは2021年までの情報を基にしているため、リアルタイムの情報や最新のトレンドには対応できません。特に、株価や最新のニュース、法律の変更など、リアルタイム情報が必要な場面では別のソースを併用することをおすすめします。
7. まとめ
ChatGPTとExcelの連携は、データ分析や業務効率化に非常に有用です。
この記事では「基本的なデータの読み込み方法から具体的な活用例」までを紹介しました。
これを参考に、ぜひChatGPTを使ってデータ分析やレポート作成を効率化し、業務の生産性向上を図ってください。
再度連携方法を以下にまとめます。
是非活用して効率化を図りましょう。
ChatGPTのチャット画面で「クリップマーク」をクリックし
先ほど保存した「CSVファイルをアップロード」します。
Excel「ホーム」→「アドイン」を選択
ChatGPT for Excelを「追加」
以上、ChatGPTを使ったExcelデータの読み込みと活用方法について、具体的な手順と活用事例を紹介しました。
この記事が、皆様の業務効率化やデータ分析に役立つことを願っています。
